アクシスZでフードデリバリー稼働をしている配達員の皆様、リヤタイヤの交換サイクルがあっという間にやってきて経済的負担となっていませんか?
私は数年前までバイク用品店でタイヤ交換を依頼していたのですが、費用負担を軽減したいと考えた結果、DIYで手組み交換作業をするようになりました。
結論からいうと、DIYでタイヤ交換をするメリットは以下の通りです。
- タイヤ代および工賃としてかかる費用負担を軽減できる
- 自分の好きな銘柄のタイヤを自由に選択できる
- やり方を覚えてしまえば、自動車のタイヤ交換にも応用できる
必要な工具とやり方がわかれば、作業自体はさほど難しいものではありません。
なお、まだアクシスZのサービスマニュアルを手に入れていない人は、DIY整備の必須アイテムとなりますのでぜひ揃えておきましょう。
【SED7J】
【SEJ6J】
今回の記事はYoutube動画でも手順を紹介していますので、参考にしてみてください。
また、アクシスZのフロントタイヤの交換を検討している方は、こちらの記事を参考にしてくださいね。
マフラーを取り外す
マフラーを固定しているボルト2本とナット2個を12ミリのソケットで外します。



マフラー付け根部分のナットは車体内部に落とすと探し出すのが大変なので注意しましょう。
この作業ではT型レンチを使うとスムーズです。

これに合う差込角9.5mm(3/8インチ)のソケットが準備できていなければこちらからどうぞ⬇️
リヤフェンダーとマフラーを繋いでいるブッシュ部分を手前に引っ張るとマフラーを外すことができます。
このリヤフェンダーを取り外す必要はありません。

リヤホイールを取り外す
虫回しドライバーを使ってリヤタイヤのバルブコアを取り外します。

アジャスターを時計回りに締め込んで、リヤブレーキがかかった状態にします。

板ラチェットレンチを使うと作業効率が上がります。アジャスター調節で使用するのは12ミリ部分です。

リヤブレーキがガチガチにかかっている状態になったら、サイドスタンドで車体を支えます。
空気を抜いたタイヤの摩擦とブレーキの摩擦の2つを利用してホイールナットを緩めるのが目的です。

ロングスピンナーハンドルに24ミリのソケットを装着してリヤホイールナットを外します。
いずれも差込角12.7mm(1/2インチ)です。

差込角12.7mm(1/2インチ)のソケットの用意がない方はこちらからどうぞ⬇️
上半身でシートに体重をかけながらスピンナーハンドルを回すことでホイールナットを緩めることができます。
手伝ってくれる人がいるのであれば、シートにまたがってもらえれば作業はスムーズです。

取り外したワッシャーとナットはなくさないように保管しておきましょう。

ブレーキを解除した状態にするために、アジャスターナットを反時計回りに回して緩めます。
これをしないとリヤタイヤが外れませんので注意しましょう。

リヤフェンダーを少し持ち上げてリヤホイールを取り外します。

掃除とグリスアップのためにブレーキシューを取り外します。

ブレーキシューライニングの使用限度は厚さ2mmです。
タイヤ交換のときにしか残量の確認はできないので、ブレーキシューはあらかじめ購入しておくことをおすすめします。
ブレーキシューを取り外したら、溜まった汚れをきれいに掃除しておきましょう。

リヤタイヤを取り外す
ビードを落とすにはビードブレーカーは必須工具となりますので、必ず用意するようにしてください。

タイヤレバーを使ってビードを落とす方法もありますが、個人的には全く推奨しません。
時間と労力を無駄に消費する上に、ホイールに無駄な傷が入ってしまいます。
ビードブレーカーでビードを全周にわたりしっかり落としていきます。
タイヤのビードがホイールの一番くぼんだ部分まで落ちるように念入りに力を込めることがポイントです。
こうすることで、このあとのタイヤレバーを使った取り外し作業が楽になります。

タイヤレバーは3本用意しておきましょう。

私が使用しているのはアストロプロダクツのタイヤレバーです⬇️
予算に余裕があれば、品質と評判の良いKTCのタイヤレバーをおすすめします⬇️
(私も本当はこれを使いたいです…w)
タイヤレバーを使った作業を始める際に装着した方が良いグローブがこちら⬇️
手組み作業では、いわゆるラバー軍手を使ったほうが手が痛くならずに作業ができるのでおすすめです。
タイヤの手前部分のビードを膝で落とし込みながら、斜め前あたりからタイヤレバーで少しずつめくり上げていきます。

もう片方のビードは、タイヤレバーでタイヤを押さえながらショックレスハンマーで叩いて外します。
ホイールの外周に5-56などの潤滑油を吹いておくと外しやすくなります。

ある程度のところまでホイールが出てきたら、あとは手でタイヤを取り外すことができます。

スナップインバルブの交換
スナップインバルブの交換が必要ない場合には、この手順は省略しても良いです。
スナップインバルブの根本のゴム部分にひび割れが合ったりしたら要交換です。
私の場合、約1年程度を目安に、ひび割れの有無に関わらず交換しています。
スナップインバルブの付け根にあるゴム部分にカッターの刃を一周入れると取り外すことができます。

このように、切り離すことができます。

スナップインバルブは特殊工具を使って取り付ける必要がありますので、必ず用意しましょう。
新品のスナップインバルブはIRC製のものを毎回購入しています。
スナップインバルブのゴム部分にビードワックスを塗布して挿入しやすくします。

使っているビードワックスはマルニ製。
量が少ないように感じるかもしれませんが、アクシスZのタイヤ交換用に購入してから4年ほど経ってもまだ使い切っていません。

スナップインバルブの向きは、取り付け前の正しい向きで装着するようにしましょう。
エアバルブの向きを反対に取り付けると、車体に干渉する場合があるためです。

L型タイヤバルブ装着ツールを使い、テコの原理でスナップインバルブを引き出すようにして装着します。

タイヤを手組みする
今回手組みするのはダンロップのD307。今まではIRCのMB-520を履くことが多かったのですが、止まらない値上げの影響で他のタイヤに目移りすることに。
結果的にはまだ履いたことのないダンロップ製のこちらを購入することになりました。
タイヤのビードとホイールの密着性を高めるために、ビードシーラーをタイヤ両面のビードに塗布します。
使用するのはマルニのビードシーラー。

私のような素人がタイヤを手組みする場合、タイヤレバーでつけてしまったホイールの傷が原因でエア漏れが起きてしまうことがあります。
そのような可能性を予防するためにも、ビードシーラーをタイヤに塗布しておくと安心です。

ビードシーラーが乾いたらマルニのビードワックスをタイヤ両面のビードに塗ります。

タイヤの銘柄によって有り無しはありますが、タイヤには進行方向を示す矢印マークと、スナップインバルブの位置を合わせるための軽点マークがあります。
タイヤを手組みするまえに確認しておきましょう。
タイヤの進行方向を示すローテーションマーク⬇️

エアバルブの位置を合わせるための軽点マーク⬇️

膝でタイヤの手前奥のビードを押し込みながらタイヤレバーでタイヤをはめていきます。

奥のビードを最初にはめます。
手前側のビードまで同時に一気にはめることはできませんので注意しましょう。欲張り厳禁。

奥のビードが入ったら、今度は手前のビードを入れていきます。

ホイールを傷つけないようにする「リムガード」は使用しません。
リムガードが入る余地がほぼ無いのと、たとえリムガードを入れたとしてもタイヤとホイールに過度な負荷がかかる可能性があるからです。
タイヤの軽点マークとスナップインバルブの位置が合っているかを確認し、ブレーキドラム内面も掃除しておきましょう。

タイヤのビードを上げる
今回は、以前の記事でも紹介したことのある、フットポンプでビード上げをする方法をご紹介します。
自宅にエアーコンプレッサーがある方や、ガソリンスタンドで空気入れを借りる方はこの手順を実施する必要はありません。
トラックの荷締め用として売られているラッシングベルトをタイヤの中心に巻き付けます。


ラッシングベルトがタイヤの全周にわたり中心にきていることを確認し、適度な強さで締め込みます。
あくまでも程よいところで止めておきましょう。
使用するのは自転車やバイク、車にも使用可能なツインシリンダーのフットポンプです。
空気の流入量が稼げるだけでなく、足踏み式なので作業の疲労軽減にもなるのがメリットです。

フットポンプから抵抗なく空気を注入するために、バルブコアは外しておきましょう。
フットポンプを踏み続けている最中に足に抵抗を感じるようになってきたら、タイヤに空気が充填されているサインです。
フットポンプを何回踏んでも抵抗が感じられないときには、ホイールとタイヤの隙間から空気が逃げていますので、ラッシングベルトを増し締めしましょう。

ラッシングベルトを増し締めしていった結果、最終的なタイヤの締め付け具合は以下の画像程度になりました⬇️

「ポン、ポン」と2回音が鳴るとビードが上がったサインです。

ビードが上がったら、ラッシングベルトを取り外します。

外していたバルブコアを装着します。

ポンプの差込口を外した時点でビード上げに使った空気は全て抜けてしまっているため、あらためて空気をゼロから充填します。
私の従来のやり方だと、フットポンプで空気を入れてからデジタルタイヤゲージで空気圧を測定するという手順でした。

しかし、この方法だと測定→フットポンプで空気充填→測定→空気圧調整といったやり取りを往復しなければならなかったのが手間でした。
しかし、空気圧の測定と空気の充填を同時にこなすことができるおすすめのアイテムを見つけたのでご紹介します⬇️

このCustom Japanのスマートエアーマルチポンプは、空気圧の測定と充填が同時にできるすぐれもの。
あらかじめ設定しておいた空気圧になるまで、自動で空気を充填することができます。
自動車のタイヤにも空気を充填することができたので、一家に一台あると非常に便利ですよ⬇️
空気の充填が完了したら、バルブキャップを締めて完了です。

リヤホイールの取り付け
基本的に取りけは取り外しと逆の手順となりますが、グリスアップや取り付けの際のポイントなどがいくつかあるので、手順としてご紹介します。
使用するのはヤマハのグリースFです。

グリスアップする箇所は以下の通りです。
リヤドラムブレーキのカムシャフト⬇️

リヤドラムブレーキの支点ピン⬇️

リヤアクスル⬇️

スプリングがちゃんと装着できているか確認しましょう。脱着のときに外れやすいです。

リヤブレーキシューの取り付けが完了しました。

リヤホイールをリヤアクスルに取り付けます。

ワッシャーを忘れずに入れてからホイールナットを手で回し入れます。


フロントタイヤを壁などに当て、サイドスタンドをかけておきます。


板ラチェットでアジャスターを時計回りに回してリヤブレーキをロックさせます。

トルクレンチでリヤホイールナットを本締めします。
使用したのはエマーソンのトルクレンチです。手頃な値段で200N・mまで対応しているので、今回のホイールナットの締め付けなどにとてもおすすめです。

上半身でシートに体重をかけながらスピンナーハンドルを回すことでホイールナットを締め付けることができます。
手伝ってくれる人がいるのであれば、シートにまたがってもらえれば作業はスムーズです。

マフラーとリヤフェンダーを接続し、マフラーをボルト2本とナット2個で固定します。

ボルト・ナットの締め付けには東日のトルクレンチを使用します。
アクシスZの整備で一番出番が多いのがこのトルクレンチです。

マフラーのボルト2本を締め付けます。

マフラーのナット2個を締め付けます。

板ラチェットでアジャスターを反時計回りに回してリヤブレーキを解除させたら作業は終了となります。

アクシスZのリヤタイヤ交換まとめ
今回は、アクシスZのリヤタイヤを手組みで交換する作業方法をご紹介しました。
冒頭でも触れた通り、作業にあたってはヤマハのサービスマニュアルを参照することをおすすめします。
また、純正パーツの選定にあたっては、ヤマハのパーツカタログにてご自身のアクシスZの型式に当てはまっているかを確認したうえでご購入していただくようお願いいたします。
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それでは、また次の記事または動画でお会いしましょう✋️

