アクシスZの駆動系メンテナンス

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DIYでアクシスZの駆動系メンテナンスをしたいけれど、結局なにも手を出せないまま悩んでいませんか?

  • アクシスZのVベルトやウエイトローラーの交換をしたいけど分解手順がわからない
  • 駆動系メンテナンスに必要な工具を揃えたい
  • Vベルトやウエイトローラーなどのパーツは何を購入すればよいのか知りたい

実はメンテナンス初心者であっても、第一歩は簡単に踏み出すことができます。それが、必要な知識と工具、そして交換すべきパーツを揃えることです。

なぜなら、私もアクシスZの整備を始めた当初は必要なものを揃えることからスタートしたからです。

新車で購入したアクシスZの走行距離は10万5千kmを突破し、これからもまだまだ走り続けられるコンディションを維持しています。

この記事では、アクシスZの駆動系メンテナンスのポイントを全般的にお伝えします。記事内容を読んでいただいたうえで、ポイント毎に紹介する工具や部品を揃えていただければ整備初心者の方でも安心して作業を開始することができます。

また、YouTube動画で作業の流れを把握したうえで、この記事を作業手順書のように活用していただくことにより、アクシスZの駆動系メンテナンスを進めることができる作りになっています。

目次

アクシスZの駆動系をメンテナンスするに至った理由

今回のアクシスZの整備作業の第一の目的は、以前の記事でも触れていたクランクケースカバーのオイルシールからのオイル漏れを修理することでした。

Vベルトケースからのオイル漏れが顕著になると同時にアクシスZの加速が悪くなったので、オイルシールの交換を含めた駆動系メンテナンスを実施することに。

こんな症状が出たらオイルシールの劣化が原因かも!?
  1. 普段の駐車場所の地面にオイル溜まりができている
  2. Vベルトケース下部にあるドレンがオイルで湿っている
  3. ゼロ発進から加速しても回転数が上がるだけで速度がついていかず、燃費も悪くなった
言われてみれば、たしかにそうかも

クランクケースカバーのオイルシールからオイルが漏れた結果、Vベルトケース内にオイルが溜まり、Vベルトケース下部にあるゴム製のドレンからオイルが滴るようになります。これが1と2の症状。

劣化したオイルシールの隙間から漏れ出したエンジンオイルがVベルトやプーリー表面に付着し、ベルトが滑ることによる加速不良と燃費の低下が3の症状の要因となります。

今回のメイン作業はクランクケースカバーのオイルシール交換ですが、付随整備としてVベルトやクラッチキャリアアッセンブリの交換も実施しているので、これからアクシスZの駆動系メンテナンスを検討している方にとっても非常に役立つものとなるため、動画と記事にすることになりました。

アクシスZのVベルトケースを外す

STEP
エアクリーナーボックスを取り外す

アクシスZのエアクリーナーボックスは6本のビスで固定されています。

ビスのネジ山はなめやすいので注意が必要です。
ドライバーの押す力と回す力が7:3となるように意識しましょう。

STEP
Vベルトケースカバーを取り外す

Vベルトケースカバーは5本のビスと1本のボルトで固定されています。
ボルトはVベルトケースまで締め込んでいるので、組み戻すときにはカバーと一緒であることを覚えておきましょう。

STEP
Vベルトケースを取り外す

Vベルトケースを固定している8本のボルトを取り外します。


Vベルトケースを手で引っ張りながら取り外します。固着している場合には、プラハンマーで叩きながら繰り返し引っ張る力を加えていくと外すことができます。

STEP
取り外したVベルトカバー内側の状態確認と清掃

Vベルトカバーの内側には、クランクケースカバーのオイルシールから漏れたオイルが溜まっていました。このレベルになると、サイドスタンドで駐輪していると地面にオイルが滴る症状が出ます。

アクシスZのプライマリーシーブの取り外し

STEP
ユニバーサルホルダーを使ってプーリーフェイスのナットを外す

プライマリーフィクスドシーブ(プーリーフェイス)を取り外すには、ユニバーサルホルダーという工具を使います。


プーリーフェイスにある2つの穴にユニバーサルホルダーの突起部分を差し込んで位置を合わせます。


ユニバーサルホルダーを地面に置いたレンガなどで固定すると作業がしやすいです。


使用するソケットは17mmです。ロングスピンナーハンドルでナットが緩んだら、ラチェットハンドルを使って外します。

STEP
ワッシャーとプーリーフェイスを取り外す

ナットの下にある下記のワッシャーを取り外していきます。

  • コニカルスプリングワッシャー(くぼみのマークが外向きです)
  • プレートワッシャー

プーリーフェイスを取り外します。

STEP
ワッシャーとプーリー一式を取り外す

カラー(プーリーボス)に接地しているワッシャーを外します。シムワッシャーとも呼ばれる薄いワッシャーです。


両手で掴むようにして引っ張ると、ウエイトローラーなどが地面に落ちることなくプーリー一式をまとめて取り外すことができます。


最後にワッシャーが残っているので忘れずに取り外しましょう。

セカンダリーシーブの取り外し

セカンダリーシーブの取り外しも、プライマリーシーブの手順と同じ要領で作業を進めます。

STEP
クラッチハウジングを固定しているナットを外す

ユニバーサルホルダーのピンをクラッチハウジングの穴に差し込んで回り止めをしながらナットを緩めます。

サービスマニュアルではシーブホルダーの使用が指示されていますが、ユニバーサルホルダーでも作業可能です。

STEP
クラッチハウジングを取り外す

ナットが外れたらクラッチハウジングを取り外すことができます。
クラッチハウジングの内側はクラッチシューのダストが溜まっていたりするので、清掃は必須です。今回はオイル汚れも付着していました。

STEP
セカンダリーシーブを取り外す

セカンダリーシーブがクラッチシューアッセンブリと一体となった状態で取り外すことができます。

クランクケースカバーの取り外し

STEP
クランクケースカバーの6ヶ所のボルトを外す

8mmのソケットを使用してボルトを外します。


6本のボルトのうち2本は長い半ねじになっています。2ヶ所にある三角マークが目印です。

STEP
クランクケースカバーをマイナスドライバーなどを使って取り外す

クランクケースカバーはO-リングで密着しているため、手だけで外すのは難しい場合があります。マイナスドライバーをケースの出っ張りに引っ掛けて外しました。


クランクケースカバーを外すときにアイドルギアが落下しやすいので注意

アイドルギアが落下してしまった場合は、正しい位置に戻しておきましょう。

STEP
古いオイルシールとO-リングを外す

今回の作業の主目的は、このオイルシールを交換することです。クランクケースカバーを開けたら、オイルシールとO-リングは新品に交換するようサービスマニュアルに指示があります。


O-リングを外すときには、フック型の工具があると良いです。

オイルシールとO-リングはヤマハのパーツリストで検索して購入しました。DIYで部品交換する場合には、スマホアプリのヤマハパーツリストは必須です。

アクシスZの部品の入手方法についての記事はこちらです

クランクケースカバーの組み付け

STEP
オイルシールとO-リングにグリースBを塗布する

オイルシールとO-リングを組み付ける際には、ヤマハのグリースBの塗布がサービスマニュアルに指定されています。

STEP
クランクケースカバーにO-リングを取り付ける

O-リングが溝にしっかりはまっていることを確認しながら作業します。O-リングをはめ込むための出っ張りの内側に入るようにしましょう。

STEP
クランクケースカバーを仮付けしてからオイルシールを挿入する

オイルシールの取り付けはクランクケースカバーを仮付けしてから作業しました。オイルシールが入る位置を先に決めてから挿入するためです。


クランクケースカバーを長いボルト2本(三角マークのある所)で仮締めしました。その後、オイルシールを初期の位置まで水平に挿入します。

オイルシールは手で容易に押し込むことができるため、器具で打ち込む必要はありません。ただし、オイルシールの内側には金属のバネが入っているため、オイルシールをたわませたりするとバネが外れてしまうので注意しましょう。なお、オイルシールは念のため2個以上購入しておいたほうが安心です。

セカンダリーシーブの分解とクラッチキャリアアッセンブリ交換

STEP
ロックナット用レンチを使ってセカンダリーシーブナットを取り外す

ナットを緩めるには専用工具が必要です。


レンチをナットに掛けたら手で押さえ、緩む方向で床に叩きつけるとやりやすいです。


ナットが外れた瞬間にスプリングの反動でクラッチキャリアが飛び出しますので、しっかり手で押さえながら作業しました。
サービスマニュアルに従って、シーブスプリングコンプレッサーを使用するのが安全です。


ナットを外すとクラッチキャリアアッセンブリを取り出すことができます。

STEP
セカンダリーシーブを分解する

スプリングシートを取り外します。


トルクカムの溝に入っている3本のガイドピンをラジオペンチで抜き取ります。


分解したセカンダリーシーブをパーツクリーナーで洗浄します。

STEP
摺動部にヤマハのグリースEを塗布する

セカンダリーシーブの可動部分にヤマハのグリースEをまんべんなく塗布します。グリースEはセカンダリーシーブの専用のグリスです。


古いグリスをウエスで拭き取り、新しいグリスをたっぷり塗っていきます。

STEP
分解と逆の手順でセカンダリーシーブを組み立てる

各パーツの清掃とグリスアップが完了したら、分解と逆の手順で組み立てます。なお、今回新品交換するクラッチキャリアアッセンブリはヤマハ純正品ではなく互換品です。

互換品の良いところは純正品に比べて価格が半分程度であることです。
今後の動作確認も含めて検証は必要ですが、純正品と同等の品質であればコストパフォーマンスは非常に高いといえるでしょう。


グリスアップ後にスムーズに稼働するかを確認します。


セカンダリーシーブナットを取り付ける際も、シーブスプリングコンプレッサーを使用するのが楽なのですが、膝で体重をかけてスプリングを押さえ込みながらナットを回しました。

STEP
セカンダリーシーブとクラッチハウジングのナットをトルクレンチで本締めする

プライマリドライブにセカンダリーシーブを設置し、ユニバーサルホルダーで固定してからトルクレンチで本締めします。ナットの締付けにはクラッチロックナットソケットが必要です。


クラッチにある2つの穴にユニバーサルホルダーの突起部分を差し込んで位置を合わせます。

プライマリーシーブの作業と同様に、ユニバーサルホルダーを地面に置いたレンガなどで固定すると作業がしやすいです。


使用したトルクレンチはエマーソンのトルクレンチを使用。タイヤのナットなど、高い締付けトルクが要求される作業に重宝しています。

85N・m(8.5kgf・m,63lb・ft)


クラッチハウジングナットの締付けは24mmのソケットを使います。

37N・m(3.7kgf・m,27lb・ft)

プライマリーシーブとVベルトの組付け

STEP
Vベルトの方向性を確認する

今回交換する新品のVベルトはKN企画のアクシスZ用国産強化ベルトです。
ベルトを取り付ける際は、自分から見て文字が読めるように取り付けると正しい向きになります。

STEP
ウエイトローラーとスライドピースを取り付ける

ウエイトローラーはデイトナ製の12gを使用。アクシスZの純正ウエイトローラーも12gであるため、同じセッティングにしています。なお、デイトナ製のウエイトローラーには方向性はありません。


スライドピースはK-PIT製を使用。

STEP
プライマリースライディングシーブと各部品を順番に取り付ける

最初にワッシャーをクランクシャフトに取り付けます。


クランクシャフトにグリスを塗布します。サービスマニュアルではグリースBを塗布する指示がありますが、私は焼付防止潤滑剤のネバーシーズを使用しています。

私がネバーシーズを使う理由

過去にクランクシャフトにグリースBを塗布して組み付けていましたが、プーリーボスが固着してしまった経験からネバーシーズを使うようになりました。
ネバーシーズを塗布するようになってからは一度も固着したことはないので、おすすめできる方法です。

ネバーシーズはごく薄く塗布するようにしましょう。フタに付いているハケを使わず、指で塗り伸ばすようにすると作業しやすいです。

スライディングシーブとプーリーボスを取り付けます。


ボスワッシャーを取り付けます。一番薄いワッシャーです。

STEP
Vベルトとドライブフェイスを取り付ける

セカンダリースライディングシーブを両手で強く握り、コンプレッションスプリングを縮めてベルトを落とし込みます。
強化スプリングを装着している場合には強い握力を要するので、クラッチスプリングコンプレッサーの使用を推奨します。


プライマリーシーブ側にかかるベルトをたわませておくことがとても重要です。


Vベルトをたわませた状態を維持しながらドライブフェイスを取り付けます。ベルトが噛み込んでいないことを確認しながらワッシャーとナットを取り付けます。


プレートワッシャー、コニカルスプリングワッシャー、ナットの順番で組み付けます。


ナットの締付けは17mmのソケットを使います。

40N・m(4kgf・m,30lb・ft)

STEP
Vベルトケースを組み付ける

Vベルトケースは8本のボルトで組み付けます。長いボルトはVベルトケースカバーと一緒に取り付けるので一旦置いておきます。

10N・m(1kgf・m,7.4lb・ft)


クランクケースカバーエレメントを取り付けます。今回は純正の新品に交換するため、ヤマルーブのフィルターオイルも併せて使います。


ヤマルーブのフィルターオイルをエレメントに染み込ませます。フィルターオイルは粘度が高く非常にベタベタしているので、取り扱いには手袋が必須です。


手で揉み込むようにしてフィルターオイルをエアエレメント全体に馴染ませます。

キタコ(K-PIT) 製のケースカバーエレメントの場合はオイル不要!

KITACO製のエアエレメントにはあらかじめオイル成分が付着しているので今回の作業は不要です。

純正品のエアエレメントはオイルが付着していないスポンジなので、今回のようにフィルターオイルを使う必要があります。

最初からキタコを選択しておけばOK

エアエレメントにある穴を位値決め用の出っ張りに通して固定します。


エアエレメントを設置したらVベルトケースカバーを組み付けます。

STEP
Vベルトケースカバーを組み付ける

Vベルトケースカバー左上の穴に長いボルトが通ります。

10N・m(1kgf・m,7.4lb・ft)


残りの5本のビスを組み付けます。

7N・m(0.7kgf・m,5.2lb・ft)

STEP
エアクリーナーエレメントを組み付ける

取り外したエアクリーナーエレメントはかなり汚れていたため、この機会に新品交換することにしました。


今回交換したのはK-PIT製のエアクリーナーエレメントです。純正品となんら遜色のないクオリティなので安心して使用することができます。


エアクリーナーケースカバーにエアクリーナーエレメントを乗せます


手で押さえながら元の位置に戻し、6本のビスを締付けたら作業完了です。

アクシスZの駆動系メンテナンスのまとめ

テスト走行において問題なく走行することが確認できたので、以上で作業は完了となります。

記事の冒頭でも触れた通り、Youtube動画で作業全体の流れを把握しつつ、こちらの記事にある手順を見ながら作業していただくことにより、アクシスZの駆動系メンテナンスを円滑に進めることができます。

今後もアクシスZの駆動系に関しては追加情報が入り次第、こちらのブログやYoutube動画でご紹介していきますので、このブログのブックマーク登録とYoutubeチャンネルの登録をぜひお願いいたします。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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