このブログを立ち上げたのが今年の10月。
11月、12月ともに僻地まったり勢の私は、微妙な単価と鳴りの悪さもどこ吹く風と、夜稼働メインで昼間はグーグーという生活を送っておりました。
そうこうしている間に、気づけば年末。今は大晦日にこの記事を書いています。
バイク配達員として、大事な商売道具である車両のメンテナンスには余念がないつもりではいたのですが、ついに配達中に稼働が継続できなくなるトラブルが起きてしまいました。
それが、走行中のVベルト切れ。
幸い周囲を巻き込む事故にはならずに済みましたが、今後のメンテナンス計画の見直しなど、今後の反省材料としながらも、少しでも他の配達員の方々の参考になればと思い、記事にすることにしました。
前回の交換から約16000kmでVベルトは切れた
私がアクシスZを購入してから、駆動系部品の交換はすべて自分自身で行っており、Vベルトに関しては2万キロ毎に必ず交換するというサイクルで運用していました。
2万キロという基準の根拠としては、初めてVベルトを交換したとき、走行距離が2万数千キロを超えていたものの、ベルトが切れそうになるレベルまで摩耗が進行しているようには見えなかったためです。
なお、今回ベルトが切れるまで変速も問題なくできていたうえに気になる症状なども現れておらず、まさに突然の出来事でした
また、定期的にクランクケースを開けて駆動系の目視点検を実施することは、メンテナンスとしてはこのうえないと思いますが、そこまでするなら摩耗状態関係なく交換とセットにしてしまったほうが時間的なコストが節約できるという考えから端を発しています。
いってしまえば、以前の記事でも取り上げた、相当程度時間をかけて消耗部品(スパークプラグ)を外してチェックするならいっそ交換したほうがよい理論です。
社外品のプーリーがベルトの消耗を早めた?
じつは前回のVベルトの交換時、プーリーは社外品に換装していました。
純正プーリーのフェイスには段付きなどはなく、問題なく使える状態ではあったのですが、社外品に変更することで走行にどのような変化をもたらすのかに興味が湧いてきて、それを優先してしまいました。(別段後悔はしていませんが)
プーリーは、「TFC 零四部品 アクシスZ RB-スタイル プーリーセット」というやつです。
アクシスZに適合するように作られているとはいえ、純正の設計を外れた「社外品」であることに違いはないわけですので、Vベルトやウエイトローラー、他の構成部品にも少なからず影響を与えていると見るのが当然でしょう。
純正のプーリーは保管しているので、次回ウエイトローラーを交換する段になったら戻してみようと考えています。
Vベルトが切れて走行不能になった前後の状況と顛末
稼働中に走行不能に陥ってからの顛末を時系列で簡潔にまとめました。
片側2車線の国道で右車線を走行中、アクセルで加速しないことを察知。
スピードも相当出ている状況で後続車もいるため、安全に路肩に寄せるチャンスがない。
おそらく左に寄ったら追突されて死亡するような危険度。
右折できるところではないが、やむなく右ウィンカーを出して対向車がこない間に右折し、どこかの駐車場に緊急退避。
ウーバーイーツでは、車両のトラブルで配達(飯を運んでいる状態)を継続することが困難である場合には、サポートキャンセル一択となります(目と鼻の先にお客さんの家があるのであれば話は別ですが)
サポートへのチャットは「エンジントラブルのため配達継続できません」と伝えればOK
キャンセル処理が完了したら、運べなかった料理は自身で処分してしまって大丈夫です
ちなみに、私個人の見解ですが、注文者への連絡はしないほうが無難であると考えます
なぜならば、事情を知ったところでお客様はどうすることもできないし、話がこじれる可能性すらあるからです
なんとか押し歩きして帰れる場所でリタイアできたのが不幸中の幸いでした。
車両重量が100kg程度のアクシスZであっても、40分押し歩きするのは骨が折れます。
冬なのに大汗をかきながらなんとか自宅到着。Vベルトはストックがあったので、走行不能がベルト切れであることと、クランクシャフト等にダメージが及んでいないことを祈りながらクランクケース開封。
自宅の作業できるスペースには明かりがないため、頭にLEDライトを装着してから作業開始。
クランクケースを開けてみたところ、案の定ベルトが粉々になっていました・・・。
ヒモみたいなのがベルトの骨組みであるワイヤー部分。四角く細切れになっているのがベルト内側の溝で、もじゃもじゃの切れ端がベルトの生地部分です。
幸いクランクシャフト側へのダメージはない模様で、クラッチ側にベルトのワイヤーが巻き付いており、その他の破片が内部に散乱しているといった具合。
兎にも角にもプライマリーシーブを外し、クラッチハウジングを外したあとにクラッチ側に巻き付いたワイヤーをペンチで根気よく切断してからクラッチ(セカンダリーシーブアッセンブリ)を取り外しました。
私が最近装着しているのが、このKN企画の強化Vベルト。
純正品もよいのですが、より耐久性の高いものを求めた結果これを継続購入しています。
残りのクエストも消化したいし、早く作業を終わらせて復帰したいという焦る気持ちを抑えながら、必要最低限の作業はきっちりしておこうという方針にしました。
ケース内部に散乱した破片を掃除し、パーツクリーナーを使いながら汚れも落とします。
セカンダリースライディングシーブのグリスアップも、期間が相当空いていたのでこの機会に実施。
もちろん、グリスはヤマハ純正のグリースEを使用。
クラッチシューも目視で許容残量であることが確認できました。(以前にクラッチシューアッセンで交換履歴あり)
ウエイトローラーおよびスライドピースも若干の摩耗はあったものの、再使用できるレベルでした。
プライマリーシーブを取り外すとき、カラーが固着しておりランププレートを取り外すことができませんでした。
原因はカラーとクランクシャフトの間のサビによる固着です。(というかなんでこんなところが錆びるのだろう・・・)
じつはこれ、クランクケースを開けるたびに確認している現象で、ラスペネを隙間に噴いて長時間放置するような処置をしないと外れてこないんですね(ギアプーラーで外す方法もあるみたいですが、クランクシャフトへのダメージが怖すぎるし、ランププレートが曲がる覚悟もしなければならないらしい・・・。)
今回も例に漏れず、ラスペネを噴いても外れることはありませんでした。
ただ、カラーが外せなくともウエイトローラーやスライドピースを交換したりすることはできるので(結構大変ですが)次回への課題とすることになりました。
自宅の周りをテスト走行してみたところ、問題ないことを確認。
残りのクエストをクリアするため、すっかり鳴りが弱くなってしまった僻地を離れ、都内へ移動することを決意。
とりあえず、稼働経験のある荒川区を目指しながら鳴った案件を取っていくことに。
荒川区→足立区→江東区といった感じに流されつつも無事にクエストを完クリすることができました。
僻地への帰り道もぼちぼち鳴っていたので、単価と方角が良い案件だけを受けながら帰宅。
テスト走行では問題ないことを確認したとはいえ、都内まで遠征稼働したのは今となっては大胆な決断であったと思います。
今後のアクシスZのVベルト交換周期は1万5千キロ未満にする予定
現在、プライマリーシーブは社外品を装着していますが、次回のメンテナンス時には純正に戻したいと思っています。
先述の通り、ベルトの早期消耗やその他の影響も憂慮しての結論ですが、ざっくりいうと以下の理由からです。
- 交換後、体感できるような走りの変化があまり感じられなかった。
- 脱着にはプーリーホルダーが必要となり、純正プーリーで使用できていたロック付きのホルダー(穴に固定できるタイプ)が使えず、トルクがかけづらい
- 価格も決して安くはない(9千円程度)
純正に戻したあとはメルカリなどで売る方向で検討中です。
近日中に駆動系のメンテナンス(ウエイトローラーやスライドピースの交換、およびカラーとクランクシャフトの固着問題の対策)はやっていきたいと思っているので、今後もご期待ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。